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徐匯(じょかい)中学校(上海視察報告その3)

11月9日上海2日目。午後、次に向かったのは徐匯(じょかい)中学校です。同校がある徐匯区は面積55平方㎞、人口108万人の都市で、上海の中でも特に豊かな地域です。中国科学院上海分院、中国航天院上海分院など数多くのハイテク系研究所、医療機関、大学が存在します。近年オフィスビルやデパートが立ち並び発展が目覚ましい地域です。日本でいうと渋谷のようなところだと通訳の周さんが教えてくれました。徐匯中学は同区の重点校で、1918年にベルギー人神父が設立した所からの歴史があります。元々は私立でしたが、戦後、公立に転換しました。

変遷の歴史は学校内の資料館だけでなく、外部の門扉の近くにも表されていました。

この学校は伊藤副団長が大阪の中原徹校長から勧められた学校です。「上海では平均的な学校にも関わらず、英語のレベルがすごい!」とのことでした。この学校も他と同様、マンモス校で生徒数は2200名、教師は200名。1クラスは40名で構成され、受験がない中学部は10クラスありますが、高校部に進学する際に振るい落とされ6クラスに減ります。
同校は科学技術、芸術、体育の教育に主眼を置いています。上海で初めて外国人が設立した学校という経緯によって、英語は一生懸命勉強して当たり前ということもあり、特別に特色には打ち出していません。2001年に中国で新しく公示された「英語過程標準」に則り最近になって力をいれているのか質問したところ、そうではなく開校からずっと英語教育には力を入れているとのことでした。英語の先生は上海市内でも1、2を争うレベルだと同校は自負しています。先生の採用に当たって、大学院修了という制限を設け、英語科の先生の場合にはコミュニケーションの能力があるかを特に厳しくチェックしているとのこと。今まで見てきた小中学校のなかで、教師の学歴で大学院修了を特に強調している学校は本校だけであり、中原校長の説明の「平均的な学校」よりかは幾分レベルが高い気がしました。

残念ながら徐匯中学では試験と重なったこともあり英語の授業を見学することができませんでした。中原校長は2010年冬に府立和泉高等学校の生徒たちと共に同校を見学しています。この時の様子を収めたDVDを事前に伊藤副団長他会派で視聴していただけに残念でした。

しかし、同校が力をいれている芸術教育の美術、中学1年生(日本でいうと小学校6年生)の授業を少しだけ視察させていただくことができました。

今回、上海を視察して常について回った疑問。それは英語を勉強することに対するモチベーション。英語の授業数そのものは日本と変わらないのに、なぜ、こんなにも当たり前に英語を聞き取れて、英語を話せる中学生・高校生を育てることができているのでしょうか(進学校、有名校であることを差し引いても、日本との差はかなり大きいと思われます)。

同校でも会派で同じ質問をぶつけてみました。回答は「中国ではいい大学に入ること(学歴)が重要。それが将来のキャリアパスにも大きく影響する」。そのため、「学校が終わった後、塾に通っている生徒もいる」(徐匯中学担当者)とのことで、この辺りは日本と変わらないようです。
徐匯中学でも英語の苦手な生徒は存在すると言います。学校としては英語を学ぶ動機付け、いかに関心を高めるか、ここに腐心しています。英語の歌手やドラマを題材に議論するなど工夫を凝らしています。上海市が用意する英語の教材だけでは足りないため、学校独自に工夫しているとのことで、英語に力を入れている学校はどこも一様に、「上海市が開発する教材だけでは足りない」と口を揃えます。前日に訪問した田園外語実験小学校もそうでしたし、午前中に訪問した上海市第三女子中学もそうでした。重要なことは、その不足分を補うための独自の教材を開発できるだけの教員が学校にいることです。「8本の教材を4年間かけてつくってきた」(徐匯中学担当者)と自信満々で説明してくれました。日本の公立校と違い、学校が独自に教員を採用し、教員自身が厳しい競争にさらされているからこそ出来ることだと思います。

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