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田園外語実験小学校(上海視察報告その1)

上海の公立小中高校の英語教育の視察報告をします。7月から国内の先進的な外国語教育を取り組んでいる学校の訪問に続き、第3回の定例会の休会中に訪問させていただいたサイエンスフロンティア、横浜商業高等学校の視察の一つのまとめとして中国、上海市の英語教育を2泊3日、会派5人で視察してきました。佐賀武雄市の視察もいれると3泊4日になります。5人は伊藤副団長(緑区)、豊田市議(港北区)、平野市議(神奈川区)、藤崎市議(青葉区)、そして私・木下です。

 

 

11月8日、前日の佐賀県武雄市長との対談を終え福岡空港から上海の浦東国際空港に到着しました。空港から車で走ること、約1時間。上海市西南部に、面積371平方km(横浜市の面積は約437平方km)、人口243万人の閔行(びんこう)区に田園外語実験小学校はあります。2010年に上海市閔行区田園外語実験小学校と改名、事前に調査していた2010年には30クラス生徒数1200名だった同校は現在、35クラス1500名、100名を超える教職員を抱えるマンモス校です。

公立校ですので特別な入学試験はないそうですが、同校の人気は高く周辺に転居してくる家庭が増えているのが、生徒数増加の大きな要因です。ただし3年前より転居をしていないと入学資格がないなど、一定のきまりがあるようでした。

 
13時半に同校に到着した私たちは会議室に通され、同校を紹介する動画を拝見した後、5年生の英語の授業の見学、その後、趙瑛群校長先生と意見交換をしました。

中国の学制では小学校5年、中学校4年、高等学校が3年ですので初等教育の最高学年の授業を見学しました。

1Fにある特別教室、保護者席が多数ある、日本の視聴覚教室のような教室で授業を見学しました。

 授業は一貫してすべて英語。説明のために中国語をほぼ全く使っていません。しかも生徒たちは教師の発問、促しに迷うことなく従っているように私の目には映りました。今回の視察の前にサイエンスフロンティアと横浜商業高等学校の2年生の授業を見学していましたのでさほどの驚きはありませんでしたが、年齢で考えると11歳対17歳ですから6歳位のディスアドバンテージということになります。

 

中国小5/英語指導案

今回の授業前にいわゆる「指導案」が私たちにも配布されていますので、教育関係者は参考にしていただきたいと思います。タイムスケジュールに従い指導案通り完璧すぎる授業が展開されていました。

 

 写真でもわかるように、プロジェクターを有効活用し、番書はほとんどしない授業が展開されました。生徒も「書く」という作業はほどんどなく、先生の質問を「聞く」、質問に答える、つまり「話す」行為が何度も何度も繰り返し行われていました。「聞く」「話す」ことに重点が置かれた授業でしたが、途中途中で「文法」の説明もあり、宿題もかなりの分量がでており、率直にこれが全部できている、今回の38人の生徒は素晴らしいと思いました。


35分1コマの授業見学のあと、再び会議室で校長先生と質疑の時間をとりました。

主に私が疑問に思ったことは、見学した授業をしていた教師もそうですが若い教員が多く、その指導力をどのように高めているか、どうやって人材を集めているかです。このことに対する校長先生の回答は以外とシンプルでした。
上海の場合、教育の採用は学校単位のため、同校では他の教科(算数や体育)の先生の採用にあたっても語学力を求めています。校長先生は「学校が」本校に合った教師を選ぶと言っていましたが、おそらく校長先生にかなりの権限があると思われます。中国では公立の教師=終身雇用、ではなく1年か3年もしくは5年の契約で雇用期間が決まります。もちろん継続の契約も可能ですので一生同じ学校に努める教師もいると教えていただきましたが逆に1年か3年で契約が切れる職員もいるわけでかなり厳しい世界ともいえるでしょう。

中国の労働サイクルと校長先生の権限については英語教育という観点だけでなくもっと掘り下げても面白いテーマかと思います。

授業中の文法では日本のカリキュラムの中学2~3年生位の文法知識をとりいれ、会話のレベルも、横浜市の英語教育トップ校のサイエンスとY校の2年生の生徒たち並の授業を展開しながら、ホームスティに香港に行った生徒は「中国の小5は香港の小4の英語の授業がわからない」と嘆いたそうです。この話が一番印象深かったです。もし本当ならばかなり焦ります。

校長先生のお話からおぼろげながら、中国の教育制度の現状と良い点が理解できました。いきなりすべて、この横浜市の全345小学校でできるとは思えませんので、せめて横浜市ではプロジェクターは天井に吊って常設にするべきだと思いました。

残り3校の視察報告については稿を改めたいと思います。

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