NO IMAGE

7月2日3日石川県金沢市富山県氷見市に小中一貫英語教育の取組、実態調査と市庁舎移転の検討経過・「フューチャーセッション」について視察してまいりました。今回はその内金沢市の小中一貫英語教育についてです。

 

金沢市立三馬(みんま)小学校にて実際に小学校6年生の英語科の授業を見学・参加させてもらいその後金沢市役所にて教育委員会の担当の指導主事と意見交換をさせてもらいました。

 

上の写真は実際の授業の様子で「英語インストラクター」と呼ばれる非常勤講師が先生となり(右側T1)、担任の先生(左側)は主にサポート役として授業を盛り上げていました。英語インストラクターは市内合計43名おり全小学校57校を43名で受け持つようです。今年度新規の募集もあったようですが、倍率も3~4倍と人気の仕事のようです。

 

私達が見学させていただいた授業は「金沢の名所」という単元で「This is  ~」と「It is ~」を使うという狙いのものでした。金沢市の小中一貫英語教育の目標は「自分の考えや意見、ふるさと金沢などを表現するコミュニケーション能力の育成」ということでその狙い通り、小学校では自分が使う・使える英語である会話を学習しているようです。写真に教科書を上げましたが、実際に書く練習をしたのは授業の最後の5分~10分でほとんど英語インストラクターの指示通り隣の席の子や私達大人と会話をする時間が長かったです。また担任の先生がサポート、助け舟として日本語を話す以外はほぼオールイングリッシュの授業で、3年前に視察した上海の公立小学校の英語の授業を思い出しました。

 

授業が始まる前に校長先生とも意見交換させていただきましたが、金沢市の小学校英語教育の方針としては、使える英語そして「聞く」能力を育てたいと強調されていました。これまでの受験英語で疎かにされていた「話す」「聞く」能力に注目し、小学校段階からトレーニングをしているわけで、私は非常に良い取組だと感じます。金沢市の小中一貫英語教育新カリキュラムが実施されたのが平成24年度からですから、この子供達が高校生・大学生になる10年後が楽しみです。

 

 とはいえ、他の自治体よりも進んでいる金沢市でさえ、小学校6年間の英語の活動・授業時間は他の学校より100数時間多くなるだけのようです。

一般に日本人が英語を習得するに必要な総時間は約3,000時間と言われているようですが、小学校・中学校・高等学校の学校の授業だけではもちろんこの時間すら超えることはできません。

 

小学校5・6年生の学習時間 45分×週1×35週×2年=52時間

中学校の学習時間      50分×週4×35週×3年=350時間

高等学校の学習時間     50 分×週5×35週×3年=437時間

 

合計839時間ですから約2200時間足りません。英語特区の金沢市でもこの時間に小学校1年から4年までの100時間を足して939時間ですから、英語を「習得」というレベルに届かないことになります。非常に残念です。この2200時間のギャップはもちろん家庭学習で埋めるということも考えられますが、家庭学習が苦手な児童・生徒は必ずいるわけでできるかぎり、学校の活動・授業の中で解消させるのがよろしいと私は思います。

 

一部の進学校で行われているような全ての授業を英語で行わなくても、残り2200時間程度ならば、英語の他にあと2教科の授業を英語で行えば埋めることができますので、一応提案しておきます。

具体例もあげておきます。アジアの中で国の政策でバイリンガル教育が盛んで、日本から距離的に近い国としてフィリピンがありますのでかなり粗いですが授業時間の比較をしておきます。まずフィリピンの英語教育ですが、小学校1年もしくは小学校3年生から中学校(4年生)卒業までで英語を日常的に使いこなすことができるようになります。これは国の政策として小学校卒業までで英語の日常会話ができるようにすると定められているからです。その方法としては英語の時間だけでなく、算数・数学と理科の授業は英語を使って行われています。※参考ジュニア留学ネットサイトより

2009年7月に政策転換があり、それまで小学校1年生から行われていた英語教育が小学校3年より本格スタートとなったようなので、資料が古いですが独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターサイト内資料「THE 2002 BASIC EDUCATION CURRICURUM」のタイムテーブルの英語・算数・理科(保健)の時間を計算してみます。

 

するとフィリピンでの英語の授業時間は

小学校3年1日100分×5日×35週+4年1日80分×5日×35週+5年1日80分×5日×35週+6年1日80分×5日×35週=59500分

約990時間となります。同様に算数、理科の時間も4年間合計を計算すると

算数が3年生で1日80分、4年から6年が1日60分なので4年間合計45500分、約758時間

理科が3年生で1日40分、4年から6年が1日60分なので4年間合計38500分、約642時間

 

となります。つまりフィリピンでは小学校に通うだけで約2390時間授業だけでも英語に触れることができ、その上中学校4年間も通えば、合計約4500時間英語で授業が行われたことになるのですから、フィリピン人の大半が英語とタガログ語を両方使えることは理解できます。(私の手計算ですが、中学校4年間の英語を使用する授業の合計時間は約2100時間です。)

 

さて話をもどしまして、金沢市の小中一貫英語教育ですが、とても凄いなと感じたことに副教材があります。これは金沢市の教育委員会がまとめたもので英語だけでなく、金沢の文化も学ぶことができます。東京書籍が印刷製本していますが、金沢市役所でも手にいれることができますので、私も1部づつ購入いたしました。9月の議会までまだ時間ありますので小学校英語の中身についてもしっかりと勉強したいと思います。

 

「Sounds Good」が小学生用副教材、「This is KANAZAWA」 が中学生用副教材になっています。

 

 

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!

お知らせの最新記事8件